日本赤十字社 武蔵野赤十字病院

小児科小児科

診療科の紹介

病む子どもたちに適切な時に最適の医療を提供するのはもちろんのことですが、子どもたちが心身ともに健やかに育てるように、また子どもたちの養育者が安心して育児ができるような援助を私たちは心がけています。 そのために、お互いがわかりあい信頼し合えるコミュニケーションを大切にしています。 私たちは、十分時間をかけて、養育者の方のお話しやご意向をうかがい、症状についてできるだけわかりやすい言葉でご説明します。 診療内容については、病状について納得していただいた上での合意に沿って、安全な医療を提供していきたいと思っています。 おわかりになりにくいことやご希望がありましたら、なんなりとお話しくださるようお願い致します。

入院による診療が必要な場合、小児のための病棟 (オレンジ4階) にご入院いただきます。 入院の必要性、目的、期間などにつきましては、その都度医師からご説明いたします。 また当院には院内学級として>いとすぎ学級 (公立小学校・中学校の特別支援学級) が併設されており、 専任教員によって病状や個性に応じたきめ細かい指導が行われていますので、小・中学生は入院中も学習を継続することができます。

認定施設

  • 日本小児科学会小児科専門医研修施設

初診の方は、おかかりの医療機関の紹介状と受診日の事前予約が必要となります。

スタッフ紹介

常勤医師数

11名

部長:大柴 晃洋 (おおしば あきひろ)

専門領域

  • 小児科一般
  • 小児アレルギー疾患

資格等

  • 日本小児科学会専門医・指導医
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
  • 日本アレルギー学会専門医 (小児科) 、代議員
  • 東京医科歯科大学臨床教授
  • 日本小児科学会代議員

小児科一般と専門である小児アレルギー疾患の診療を担当いたします。診療に際して、お子様、ご家族に十分納得いただけるようにご説明したうえで、安全で質の高い医療を行うように努めます。 専門分野では小児喘息や食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などの小児アレルギー疾患を対象に、最新の標準的医療を行うことを基本に、個々のお子様に最適な治療法を一緒に考えていきます。 特に食物アレルギーでは、食物経口負荷試験により適切な診断や食事療法とその解除の判断をいたしますのでご相談ください。

部長:長澤 正之 (ながさわ まさゆき)

専門領域

  • 血液
  • 腫瘍
  • 感染症
  • 免疫・免疫不全

資格等

  • インフェクションコントロールドクター (ICD)
  • 日本小児科学会専門医・指導医
  • 日本小児血液・がん学会認小児血液・がん暫定指導医
  • 日本血液学会認定血液指導医
  • 日本血液学会認定血液専門医
  • 造血細胞移植学会造血細胞移植認定医
  • 東京都医科歯科大学臨床教授
  • 日本血液学会評議員
  • 日本小児血液がん学会評議員
  • 医師臨床研修指導医講習会修了
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

貧血・鼻血がとまりにくい、リンパ節の腫れなどの血液疾患・腫瘍性疾患や、よく熱を出す、肺炎・中耳炎を繰り返す、などの感染症・免疫不全症の専門診療を担当します。 ご心配な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

副部長:鈴木 奈都子 (すずき なつこ)

専門領域

  • 小児循環器 (先天性心疾患、不整脈、川崎病)

資格等

  • 日本小児科学会専門医・指導医
  • 日本小児循環器学会小児循環器専門医
  • 東京医科歯科大学臨床准教授

お子さんが体調を崩した時に、そのお子さんにとっての一番「良い方法」を一緒に考えていけたらと思います。

医師:今井 雅子 (いまい まさこ)

専門領域

  • 小児血液・腫瘍

資格等

  • 日本小児科学会専門医
  • 日本血液学会認定血液専門医
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

医師:岡田 麻理 (おかだ まり)

専門領域

  • 小児腎

資格等

  • 日本小児科学会専門医・指導医
  • 日本腎臓学会専門医

医師:横山 はるな (よこやま はるな)

専門領域

  • 小児科 (一般診療、小児神経学)

資格等

  • 日本小児科学会専門医
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

医師:中川 竜一 (なかがわ りゅういち)

専門領域

  • 小児内分泌

資格等

  • 日本糖尿病学会専門医
  • 日本小児科学会小児科専門医
  • 日本内分泌学会内分泌代謝科 (小児科) 専門医
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

医師:天野 沙織 (あまの さおり)

専門領域

  • 小児科

資格等

  • 日本小児科学会小児科専門医
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

医師:橋本 小百合 (はしもと さゆり)

専門領域

  • 小児科

資格等

  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

医師:武田 詩織 (たけだ しおり)

専門領域

  • 小児科

可能な検査・治療・器械について

神経

てんかん、熱性痙攣、発達障害など。心療内科・臨床心理士、脳神経外科、リハビリテーション科とも連携しています。

腎臓

ネフローゼ・腎炎・腎不全・尿路感染症などの各種腎疾患、学校検尿で見つかる無症候性の蛋白尿・血尿の診療。エコー・VCG・核医学検査などの画像検査はもとより腎生検も多数行っています。

循環器

先天性・後天性心疾患、不整脈、川崎病、学校検診で見つかる心電図異常、心雑音などの診療、心エコー検査。

血液

悪性腫瘍を含む血液疾患および免疫不全症の診療。骨髄移植は東京医科歯科大学にお願いしています。

アレルギー

気管支喘息、食物アレルギー、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、動物アレルギーなどの小児アレルギー疾患の診療、気管支喘息の呼吸機能検査、食物アレルギーの食物経口負荷試験 (基本的に日帰り入院) を行います。

内分泌

低身長、糖尿病、肥満症、甲状腺疾患、思春期早発症などの各種内分泌疾患の専門外来、内分泌負荷試験を行っています。

救急医療

時間外の救急患者に対応すべく、365日24時間小児科医師が診療にあたります。

乳幼児健診

子どもたちの健やかな発育のために、新生児から就学前まで一貫した保健相談 (健康診断、発育・発達相談) を行っています。小児科医師、看護師、助産師、臨床心理士、栄養士、歯科衛生士などが相談を担当しています。

受診するにあたってのお願い

診療についてのご希望、説明のわかりにくいところなど、どんなことでもお気兼ねなく医師にお話しください。
これまで他の病医院におかかりになっている場合には、そこでのお薬の情報などをお教えいただけますと、診療上助かります。

診療実績

2018年4月から2019年3月までの1年間では外来患者延べ数7787名、救急外来患者延べ数4758名、外来新患患者数956名、救急外来新患新患患者数3744名、入院患者数861名を診療しました。

主な入院患者さんの疾患は、気管支炎、肺炎、インフルエンザ、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス感染などの呼吸器感染、腸管感染症、尿路感染症、腸重積、川崎病、気管支喘息発作などの急性疾患が大多数を占めております。 特に川崎病の入院を地域から多数を受け入れており年間63例を診断、治療しました またスタッフの専門領域である血液疾患 (急性白血病など) 、神経疾患 (てんかん、神経変性疾患など) 、腎疾患 (ネフローゼ症候群、急性・慢性腎炎、尿路奇形など) 、循環器疾患 (先天性心疾患、川崎病冠状動脈病変、不整脈など) 、アレルギー疾患 (気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など) 、内分泌疾患 (糖尿病、低身長など) の診療を行っております。

腎、泌尿器疾患での腎生検、腎シンチグラム、排尿時膀胱尿道造影、低身長での内分泌負荷試験、食物アレルギーでの経口食物負荷試験などを予約入院検査として実施しております。

主要な入院疾患

  • 肺炎55、気管支炎18、マイコプラズマ感染症5、RSウイルス感染症76、ヒトメタニューモウイルス感染症22、インフルエンザ8
  • 百日咳2、胃腸炎61、皮膚感染症7、化膿性リンパ節炎21、中耳炎6
  • 敗血症13、ウイルス性髄膜炎4、細菌性髄膜炎2、脳炎脳症8
  • 尿路感染症45、急性糸球体腎炎1、ネフローゼ症候群8、慢性腎炎4、IgA腎症1、膀胱尿管逆流症62
  • 腸重積症5、虫垂炎1、胆石症1、肥厚性幽門狭窄症1
  • 急性リウマチ熱1、IgA血管炎4、多形滲出性紅斑4
  • 川崎病63、先天性心疾患2
  • 気管支喘息67、喘息性気管支炎15
  • アナフィラキシー21
  • 糖尿病1、バセドウ病1、低身長9、思春期早発症2、ケトン血性嘔吐症35
  • 急性リンパ性白血病2、ITP5、先天性免疫不全症2、貧血2
  • 痙攣重積48、てんかん11、小脳失調症2、モヤモヤ病1、精神疾患4、脳腫瘍1
  • 新生児黄疸5、新生児・乳児早期発熱7、腎奇形8、苺状血管腫1
  • 薬物中毒3、異物誤嚥1
  • 腎生検4、腎シンチグラム69、排尿時膀胱尿道造影49
  • 内分泌負荷試験10
  • 食物アレルギー経口負荷試験58

臨床指標

食物経口負荷試験

食物経口負荷試験 (Oral food challenge, OFC) はアレルギーのある食品あるいはアレルギーが疑われる食品を単回または少量から漸増摂取し、症状の有無を確認する検査です。OFCは食物アレルギーの確定診断の目的で、また診断後除去していた食品が摂取できるにようになったか (耐性の獲得) を確認する目的で実施されます。

鶏卵、牛乳、小麦アレルギーに代表される小児の食物アレルギーは近年増加傾向にあり、3歳までに20%の児に食物アレルギー症状を認めるます。食物アレルギーの症状は、蕁麻疹、喘鳴、腹痛・嘔吐、ショックなど多様ですが、皮膚症状以外に呼吸器や消化器などの全身症状を伴う場合をアナフィラキシーといいます。血液検査や皮膚テストで原因食品へのIgE抗体が証明されますが、実際に摂取して症状が出現する場合のみ食物アレルギーと診断されます。治療はその食品を除去する食事指導が中心となります。

食物アレルギーの多くは成長とともに原因食物への耐性が獲得され摂取が可能となります。誘発症状が軽く、ある程度その食品を摂取できる場合 (例えば卵使用の焼き菓子などは食べて問題ないが、卵焼きを食べたら蕁麻疹が出たなど) は、閾値※を超えない量や加工品などで摂取を続けていくと自然に症状が出にくくなってきます。 (※それ以上食べると症状が誘発される食品成分の総量を閾値といいます。)

しかしアナフィラキシーなど重い症状がみられた患者、閾値が低く極少量でも症状が出やすい患者、あるいはアレルギーの家族歴やアトピー性皮膚炎などがあり予め調べたIgE抗体が高値でその食品を食べたことがない患者 (未摂取ハイリスク患者) の場合は、どの程度食べられるようになっているかを確認するために専門病院内で安全に配慮して段階的にOFCを実施することが望まれます。OFCで現在の閾値がわかった場合は、それ以下の量で摂取を続けていくと閾値が上昇し、より短期間で耐性ができることが期待できます。

2016年度には、主に当院に紹介された食物アレルギー患児42名にOFCを日帰り入院にて実施しました。症状誘発時の摂取量 (検査前の閾値) と誘発症状重症度別に分類した各群と未摂取ハイリスク群でのOFCの結果およびその後の摂取状況を表1に示します。OFC陽性率 (摂取により何らかの症状が誘発された率) は、摂取量の閾値が高く誘発症状の軽い群では低く、誘発症状の重い群ほど高い傾向がありました。閾値が低く誘発症状が重い群は、最も高い陽性率を示しました。未摂取ハイリスク群は、当該食品へのIgE抗体が高値のものが多く陽性率も比較的高めでした。過去の重症度に合わせてつなぎ食などを少量から慎重に開始するためOFCでの誘発症状の重症度は、各群の間で有意な差はなく、アナフィラキシーショックなどの重症な有害事例はありませんでした。試験を終了した大部分の患者で自宅にて閾値以下の経口摂取を開始できており、試験後も除去継続が必要であったものは開始量ですでに症状が誘発されたケースであり、閾値が低く誘発症状が重い群と未摂取ハイリスク群でそれぞれ1名のみでした。

当院ではOFCにあたり保護者や本人に方法やリスクに関し十分な説明をして同意を得ており、試験中は誘発症状への準備を整え、注意深いモニタリングと早期の対応に努めています。検査後にも食品の具体的な摂取法やエピネフリン自己注射薬を含めた誘発症状への対処法を指導し、緊急時の救急受入れ体制を整えており、OFCにより決定した閾値に基づいて安全に経口摂取を進めることで多くの患者で早期の耐性獲得を達成しています。

OFCグループ分類 人数 負荷試験陽性者数 (陽性率%) 除去継続者数
閾値 (高) 誘発症状 (軽) 9 1 (11%) 0
閾値 (高) 誘発症状 (重) 6 3 (50%) 0
閾値 (低) 誘発症状 (軽) 5 2 (40%) 0
閾値 (低) 誘発症状 (重) 17 11 (65%) 1
未摂取ハイリスク 5 3 (60%) 1

血液培養採取率・陽性率・汚染率

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
セット数 342 218 298 513 328
陽性率 (%) 6.4 4.1 4.8 5.5 5.5
汚染率 (%) 3.8 1.3 1.7 2.8 3.1
1000患者・ 59 50.7 58.4 103.6 68
日セット数

小児救急における急性疾患の多くは感染症あるいは感染症に関連した病態 (熱性痙攣や急性脳炎・脳症) によっています。そして、感染症医療の第一歩は病原体を正確に検出する作業から始まり、それに基づいた適切な治療方針の選択によりもたらされます。そのため、重症感染症の早期診断を目的とした血液培養は、小児救急医療でも重要な診療行為であり、その適切な適応と手技は救急医療の質に関連するとされます。

適切な医療の基準となる血液培養採取率や陽性率・汚染率の指標として米国微生物学会のガイドライン…CUMITECHのデータ※ が引用されることが多いですが、医療事情のことなる日本でそのまま当てはめられるかどうかにはいくつかの懸念がありますが、客観的指標として参考すべきもののひとつです。また、日本独自のデータもいくつか報告されています※2 。

小児救急医療の質評価の指標として、当科では血液培養採取率・陽性率・汚染率をモニターして医療の質評価の一つの基準としています。> 上記に挙げた報告を参照すると、血液培養採取率としては1000patient-days当たり50-100、小児の陽性率としては5-10%、汚染率としては2.0%未満がひとつの指標と考えられます。

※1 CLSI. 2007 Principles and Procedures for Blood Cultures… Approved Guideline. CLSI document M47-A Clinical and Laboratory Standards Institute, 940 West Valley Road, Suite 1400, Wayne, Pennsylvania 19087-1898, USA.

※2 大曲貴夫 他。 日本の病院における血液培養採取状況および陽性率の実態調査 –パイロットスタディ- 2012 日本臨床微生物学雑誌 22 (1) :13-19

初診の方は、おかかりの医療機関の紹介状と受診日の事前予約が必要となります。

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